あなたにとって最も好ましい結果は。
そうですね。誰でも思うことでしょうけれど安くてキレイが一番なんです。私がお客でもそう感じます。
でも実際はめちゃくちゃ安くて最高にキレイは有り得ません。もし有り得るとするならば価格に見合わぬ労働対価を強いられた時のみです。
例えばこの換気扇の例で、10ある仕事量を全く違う価格設定で行なうことの不思議さを考えたことはございますか?
1から10までの作業を完了して、ピカピカの換気扇がよみがえったとしましょうね。
では先ほどのA社の仕事はどうでしょうか?しっかりと滞りなくおこなってくれていますか?
A社ではお客様と事前にお打ち合わせし、お客様の要求をしっかりキャッチしました。それを踏まえて見積もりもしました。
さあ実際の作業です。段取りは頭の中でイメージ出来ているはずです。
一つずつ作業を実施します。1から10までの各段には、さらにクリーニングの合格ラインが設定されています(プロとしてのレベルでできていること)それらをコツコツと地道に作業していきます。
実際には流れ作業のようにスムーズに事は運びません。
様々な問題に直面することがほとんどです。何しろ一つとして同じ物は存在しませんので、状況を踏まえた判断、道具の選定、素材の見極め、困難な汚れ、難解な構造・・・
作業者は一つひとつの作業に意識を集中させています。気がつけばあっという間に時間を浪費しています。この換気扇の例で言えばたかだか2時間程度の仕事では、到底キレイにする事は不可能です。
もちろん程度の問題も含みますし新品からの経過日数、汚れ具合からも一概には言えませんが、ハイレベルな職人気質のクリーナーさんは妥協できませんので、このような方に巡り合いますと目線が違ってきます。意識の差が仕上がりに大きく現れてくるものです。
さあ結果としてこの換気扇はキレイに甦りました。しかしそこにたどり着くまでの所要時間は、なんと6時間かかってしまいました。しかしA社は事前の見積りで、ある程度の時間の予測も立て、10年間掃除なしという事も合わせ、相当の労力を要する事を事前に予測できました。ですから慌てること無くしっかりとプロとしてのクリーニングが完了できました。
方や、もしこれが先ほどのB社であったとしましょう。価格競争の末の激安業者ではいちいち事前の見積りチェックなどは出来ません。もしもこの激安店が、商売として妥当な利益を上げるには差し迫った問題が一つあります。
そうですね、時間の制約です。簡単な話ですけど、数をこなさなければなりませんよね。
結果的には落ちない汚れは力ずくで落とそうとするかも知れません。洗剤も時間短縮になればと、高価な洗剤も惜しげもなく原液に近い濃度で使うかもしれません。結果素材を痛めてしまったり無用なキズを付けてしまうかもしれません。一つ一つの作業も最低限度のレベルで、全体を早く仕上げる事に全意識が向いてしまうかも知れません。
その結果あなたは、価格は安く抑えることには一応成功しましたが、感動を味わえることは出来ませんでした。それどころか、どこか中途半端な仕上がりを日に日に気にしだし、何かすっきりしない感覚に襲われるかもしれません。
でもB社のクリーニングで仕上がりにも大満足、感動の出来栄えと実感出来た時、あなたはその結果に一応の安堵を得ることでしょう。
しかしその裏では、B社は商売の大原則である利益追求をないがしろにした結果でもあると言わざるを得ません。厳しく指摘すればそうなのです。内情はかなり厳しいと言えなくもないのです。
このように常識的にも安すぎる価格設定の裏には、経営者側にも一労働の対価としての価格の位置づけとしか思っていない場合が多いのです。平たく言えば、アルバイト代的感覚でお客様からお金を頂いていることになります。
また個人だから、夫婦経営だからと言って、経費のかからない事をセールストークにし、労働対価に見合わぬ価格設定をしがちな事も、実は自らの首を絞める行為と言えなくもないのです。
事業として成り立たせ、恒久的に事業を成立させ、また発展的により良いサービスをお客様に提供していくには様々な運営努力が必要なのですね。
そうです。お客様から頂く料金には、もちろん労働そのものの対価の他に運営、維持管理における諸経費など、サービス向上の為の様々な経費が含まれていると言うことなのです。
ですから健全経営を推進している業者側からすれば、あまりの激安店についてはその運営方法を疑問視してしまうのです。
もしもあなたが価格最優先を求めるのであれば、このネット上にも沢山の選択肢が在るでしょう。
それはあなたに、もっと違う商品やサービスの導入を促す突破口的意味での価格設定であるかもしれませんし、中には片手間のお小遣い稼ぎの激安店も存在するという事も頭の片隅に入れておいて頂ければよろしいかと思います。
しかしそれはあなたなりの考えに基づき、賢く利用する事が大切な事と付け加えておきます。
これらを否定的に捉えるのではなく、上手に賢く使ってしまえば、そしてあなたが納得できさえすればそれはそれでOKなのです。
本来、価格と仕上がりは絶妙にクロスする関係にあるのです。それは両者にとっての利益であると言えるのです。
(余談ではありますが・・・)
換気扇のお掃除が、5千円や6千円で行えるのであれば、お客様にとっては大変お得な話しですよね。
さて、では先ほどの換気扇クリーニングのB店の店長さん、いったい心の声はどうなんでしょうね?
「あ〜あ〜。一体全体どうなってるんだよ〜。一生懸命きれいにしてピッカピカになったよぉ〜
でもさ〜6時間もかかちゃったよ・・・」
「休憩なしなのに・・・」「さっ、後片付けに集金に、 ふぅ・・・もう一日終わっちゃたじゃないの〜」
「
ガソリン代
に
洗剤代
・・・
いったい
俺の
儲けって
・・・
」